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仏教の伝来とともに日本に伝えられたお香。
その当時も、そして今も香木は日本で採ることはできません。
東南アジア方面でだけ採取できます。
昔の木が枯れて倒れ、樹脂に微生物がつき、温度や湿度などさまざまな外的要因によって熟成されていきます。その期間はなんと300年から500年とも言われます。ですので比重が重たくなり、水に入れると沈んでしまいます。「沈水香木」略して「沈香」といわれる由縁です。
沈香のなかで最も雅びで深みのある香りが伽羅です。

平安時代は、何種類かの香を粉にして混ぜ合わせ蜜で練り固めた「薫物(たきもの)」をたき、着物に香を染み込ませて香水がわりに使われていました。その様子が、源氏物語の中にたくさん登場します。

室町時代にはいりますと、香木ひとつひとつの香りと向き合い極める時代となります。

一定のルールに基づいて香をたくお手前が生み出され、「聞香(もんこう)」の方法が確立されました。

戦国時代は、香は精神的な役割で使われるようなります。香を聞くことにより気を鎮めて浄化させ、なおかつ気を高め、武将たちは戦いに出てゆきました。

江戸時代に入り世の中が安定してきますと、貴族や武士だけでなく経済的に余裕のある町人たちの間にも香文化が広まり、何種類かの香りを聞き比べてあてるお遊び「組香(香あそび)」が流行します。

現代の香道では、和歌や源氏物語・四季折々の情景などを主題にした「組香」を楽しみながら、香りで表現された主題を鑑賞し、背景を想像し、静寂な世界を遊ぶことを趣旨としています。「香道」は、世界に類を見ない日本特有の文化として現代に受け継がれています。
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